ベンチャーにおけるマーケティングの考察

ベンチャー企業へのマーケティングの適用について考えています

マーケティングで最初にすべきことは洗い出しの3C

ある会社の偉い人から、「中途採用のデジタルマーケ職の女性が、デジタルの戦術は得意だけど、いわゆるコミュニケーションの戦略を立てられないようで、新人向けの本を読んでいる。困ったものだ」と嘆くラインがきた。

「中途なら、あまり会社では新人向けの本は読まない方がいいけれど、まず本を読んで学ぼうとするなんて素晴らしいじゃないですか。デジタルな人なのに」と返した。

マーケティングで最初の最初にすべきこと

「どうしたものか」と言われたので、「とにかく3CのCのそれぞれを、A4の紙1枚使ってガリガリ書いて、別々でいいから現状把握することから始めた方がいいですよ」と答えた。

その女性はそもそもその業界が初めてだったとのことなので、インプットの意味も含めて、3Cを書いておいた方がいいと思ったのだ。

3Cは情報の洗い出しに役に立つ

3Cというと、プレゼン資料ではよく3つのマルが書いてあり、それぞれに「自社」「競合」「顧客」と綺麗に整理されている。
マルが三角に並べられていることがほとんどなので、何かしら相互に関係性があるのかというふうに見える。だが、私は3Cを関係性の表現のためには使わない。代わりに、情報の洗い出しのために使っている。

具体的には、まず3枚のA4の紙を用意する。個人的には横に配置するのが好きだが、そこは好みなのでお好きにしてください。

その3枚の紙の一番上に、それぞれ「自社」「競合」「顧客」と書く。
それから、その3Cを行っている商品・サービスについて、「自社」「競合」「顧客」に関連していることを箇条書きでひたすら書き出す。

思いついたことはなんでもいい。「この商品は○○が配合されている」「競合が最近出した△△はインスタでバズっていた」「最近、この世代(おおよそのターゲット)では◻︎◻︎が流行っている」など、思いついたことを洗い出す。

洗い出しの時は、雑誌やテレビやネット検索を多用する

洗い出しはアウトプットの作業なので、インプットを並行で行うのが望ましい。つまり、具体的な作業像としては「おおよそのターゲットが読んでいそうな雑誌を読みながら、自社や競合の商品・サービスについての記述を探しつつ、他の情報も拾っていく」というやり方だ。

これによって脳が刺激されるので、思いもよらなかった「洗い出し事項」が生まれてくることも多い。

洗い出したあとは、分類してラベルづけをする

おおよそ出し切ったと思ったら、蛍光ペンなどを何色か持って、箇条書きにされた情報を分類する。

分類の種類はざっくりと3〜5分類程度にする。「強み」「弱み」「トレンド」「施策」程度には分けられると思う。

3つのCを洗い出したら、下ごしらえは完了。もう食べてもOK

このあとにはSWOTなどに移っていくのだが、ここまでを終わらせただけでも、だいぶいろいろなことが見えてくると思う。詳細なターゲット設定や、そのターゲットが何を考えているのか、競合が何を考えているのか、そこでどのような動きをすべきなのか、といったことだ。

このあとにも活用できるフレームワークは多々あるが、この3C作業をやるだけでも、ある程度の戦略は書けてしまうこともある。書けるなら書いてしまっても良いとも思う。

ベンチャー・スタートアップでも(だからこそ)3Cは必須

以前、「ベンチャーやスタートアップの方は、市場を狭く捉える傾向がある」と書いたことがあったが、ここで紹介した3Cは幅を広げるのに有効なので、ランチの片手間にでもおすすめ。

自社ドメインを定義するのにあたっても、広く市場を認識しておく必要が相当ある。それは、大きな市場の中で、「自分はここ」と線を引く行為こそが、ドメインの設定そのものだからである。



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